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Posted by 国画会事務局 - 2008.09.01,Mon
工芸部柚木沙弥郎さんが2008年9月1日の朝日新聞夕刊で紹介されました。

▼新聞記事▼
 染色作家の第一人者の柚木沙弥郎(85)。彼も、現役の絵本作家である。
 東大で美術史を学んでいたが学徒動員で海軍に。敗戦で父の子今日、岡山県倉敷市にもとった。当時、西洋画コレクションでは随一の大原美術館で働き、民芸にも目を開く。人間国宝になる染色工芸家、芹沢銈介を知って師事した。最近は布に型染めして用途自由にした作品が多い。
 柚木がはじめて絵本を手がけたのは、94年、娘の経営するギャラリーの記念品として作った「魔法の言葉」だ。大昔、動物も人も、なりたいものになって同じ言葉を話した。そんなイヌイットの口承詩に、原始的な感覚の力強い絵をつけた。
 私家版だったのに、スイスの〈子どもの宇宙〉国際図書賞をうけた。その後、一般向けに出版され、柚木は絵本の仕事を引き受けるようになった。
 この春、また一冊の絵本が出版された。
 「いつかのっぱのヤシの木になるために/そのヤシのみが地べたに落ちる/その地ひびきでミミズがとびだす/そのミミズをヘビがのむ・・・」
 生命の循環を歌うまど・みちお(98)の詩「せんねんまんねん」に絵をつけた。動物はユーモラスで、淡い色合いが、生命をつなぐ水を感じさせる。
 最近、柚木は脳梗塞で手術した。症状は軽く、作業療法のとき、かわいいポスターをつくった。玉乗りするクマの絵に「リハビリテーション科ガンバレ」と書き、病院に贈った。
 「人をうれしくさせると、自分にもかえってくる」。柚木には、布のような柔らかさと強さがある。


-2008年09月01日 朝日新聞より 柚木さんについての記事のみ抜粋-


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